7月の嘘
俺が小さい時に、ミニカーの駐車場として使ってた板があった。その板には不思議な力があって、板の近くに人が2人以上いても、1人しか見えなかった。
面白いから家の前の道に置いて、家の中からこっそり見てた。10人ぐらいが道を通っても1人に見えた。けど、手をつないでる人はたまに2人に見えることもあった。
そんなふうにして板で遊んでたけど、いつのまにか家からなくなってた。
高校生のとき、板が家に返ってきた。俺の知らんうちに誰かがどこかに持って行ってたらしい。返しに来た人が言うには、その板は戦争に使えるってことで、実験したら手をつないでもつながなくても50人ぐらいは1人に見えるようになる事が分かって、どっかの戦争で使ったらしい。けど、いざ実戦となると全員見えてしまって、こんな板使えないという事で家に返ってきたようや。
懐かしいなぁと思って板を家の前の道に置いて、家の中からこっそり見てた。そしたら俺が小さい時から好きやった近所の女の子が、その時つきあい始めたらしい男と一緒に楽しそうにしゃべりながら歩いてきた。2人が板の近くを通っても2人見えて「やっぱりそうかぁ」と思った。
